皆さん、こんばんは。
朝夕寒くなってまいりましたがお元気にお過ごしでしょうか?
昨日は久しぶりに自動演奏付きのピアノを調律させていただきました。
AMAHAのMX300MRというピアノですね。音質がよく、弾いた曲を記録し演奏させることも出来る素敵なピアノです。右上に付いているのが自動演奏の機械。美しく収まっていてバランスがいいですね。
アクションや鍵盤の下にも自動演奏のための機械が沢山付いています。自動演奏時は鍵盤も動きますから、そのための仕掛けもよく考えられていますね(^^)。
今回はしばらく振りの調律との事でご依頼いただきました。チューニングメーターで確認させていただいたところ基準音440Hzから-50cent(セント)以上のズレ。このセントという単位は、基準に対してどれほどズレているかを分かりやすくするための単位と言えます。定義としては、(平均律の)半音の間隔が100セントです。ですから-50セントですと、半音の半分程音程が下がっていることになります(実際はもう少し複雑ですが。)。A(ラ)の音のマイナス50セントの所にくる音はA♭でプラス50セントの所にくる音と同じということですね。
少しややこしい話ですが、要約すると音程が相当ズレているということです。
こうしたピアノを調律する場合、普通に行ってしまうと調律の間にも音程はどんどん下がってしまいます。綺麗に合わせたとしてもオクターブ上の音を調律する時にはもう先程合わせた音がズレてしまうのです。
いくつか方法はあるのですが、今回ははじめに粗調律をかけ(下がることを前提に音を引き上げ)、その後精密な調律をかけるという工程で作業を行わせていただきました。こうすると音程の下がり方がだいぶ変わってきて、収まりが良くなります。短いスパンでの調律がもう何度か必要ですが、繰り返し調律していくことによって安定していきますので、ぜひ懐かしい音を楽しんでいただければと思います。
今回は自動演奏用フロッピーディスクの関係で自動演奏を生でお聴きすることは出来ませんでしたが、また機会がありましたら自分の調律させていただいたピアノが自動演奏されてるのを見てみたいと思います。
もし自動演奏用のフロッピーディスクを譲ってもいいという方がおられましたらお声がけいただければ幸いです。