ピアノの現状と不具合
福岡県柳川市にて、ヤマハのアップライトピアノ「UX30A」(1991年製)の診断を行いました。
長年メンテナンスが行われていなかったため、音程が431Hzまで低下しており、音の狂いやばらつき、ユニゾンの乱れが生じていました。また、鍵盤部ではブッシングクロスやバランスクロスに虫害が発生しており、鍵盤のガタつきや、高さ・深さの不均一さがみられました。各部のセッティングにずれが生じたことで、鍵盤の動きが悪くなり、タッチのばらつきも確認され、内部にはホコリが溜まっている状態でした。
今回行った調律・修理作業
以下の作業を実施いたしました。
1. 鍵盤ブッシング修理
鍵盤をお預かりし、バランスブッシングおよびフロントブッシングの交換修理を行いました。
2. 潤滑剤処置および全体整調
修理後の鍵盤と、潤滑剤処置を施したアクションをお届けし、鍵盤の最終調整、キャプスタン、ハンマー接近、レットオフなどの全体的な整調作業を行い、タッチを整えました。
3. 清掃作業
外装、内部、および鍵盤の清掃を行いました。
4. 調律作業
お預かり前のピッチ上げの粗調律と、お届け後の精密調律を行い、ピッチを440Hzに調整しました。
作業写真



作業後の状態
当店の診断項目に基づく健康スコアは、作業前の52点から作業後の90点となりました。
交換修理と潤滑剤処置、整調作業によって鍵盤の動きを整え、低下していた音程を440Hzに調整しました。お客様からは「20年以上使っていなかったピアノを調律していただきました。丁寧な説明で安心してお任せすることができました。ありがとうございました」とのご感想をいただきました。
調律前後のピッチ
チューナーで測定した調律前後の状態です。


作業前後の健康スコア
健康スコアは、当店独自の診断項目に基づく目安です。
技術者からのメッセージ
長期間メンテナンスを行っていなかったピアノでも、鍵盤のクロス類の修理やアクションの調整、調律を行うことで状態を整えることができます。特に虫害やホコリ、音程の低下は、定期的な点検によって早い段階で対応することが可能です。今後はこの状態を維持し、細かな変化に対応するためにも、定期的な調律と点検をおすすめいたします。

