ピアノの現状と不具合
福岡県久留米市にて、KAWAIのアップライトピアノ「Ku-10s」(1997年製)の調律・修理に伺いました。
前回の調律から10年以上が経過しており、調律前のピッチは439Hzまで低下していました。
点検したところ、鍵盤下のバランスピンに青錆が発生しており、鍵盤の動きやタッチを阻害している状態でした。また、長年の使用にともなうセッティングのズレの影響により、鍵盤のタッチが重くなっていました。その他、ハンマーの硬化も確認されました。
今回行った調律・修理作業
これらの状態を改善するため、以下の作業を実施いたしました。
1. ピッチ上げ調律
基準となる440Hzへピッチを合わせるため、ピッチ上げ調律を行いました。
2. バランスピンのサビ取り
鍵盤の動きをスムーズにするため、バランスピンに付着した青錆を丁寧に取り除きました。
3. 全体的な整調作業
アクション各部の位置とバランスを整える全体的な整調作業を行い、重くなっていたタッチを調整しました。
4. 各部清掃
外装、内部、鍵盤、および金属部の清掃作業を行いました。
作業写真



作業後の状態
作業後、ピッチは基準の440Hzに調整されました。鍵盤下のサビ取りと全体的な整調作業により、重くなっていたタッチも正常な状態へと調整されております。
当店の診断項目に基づく健康スコアは、作業前の60点から作業後の89点となりました。
調律前後のピッチ
チューナーで測定した調律前後の状態です。


作業前後の健康スコア
健康スコアは、当店独自の診断項目に基づく目安です。
技術者からのメッセージ
前回のメンテナンスから10年以上が経過していたため、ピッチの低下や金属部の錆、セッティングのズレが見られましたが、調律と修理、整調作業により、良い状態へ調整することができました。
ピアノは木材や金属でできているため、ご使用環境によって状態が変化します。今後は錆の発生やセッティングのズレを早期に確認するためにも、定期的な点検をおすすめいたします。


