ピアノの現状と不具合
福岡市南区のスナック「フレンド」様より、お友達から譲り受けられたヤマハのアップライトピアノ「U1」(1973年製)の調律・修理のご依頼をいただきました。
調律前のピッチを測定したところ、基準値から約9.5Hzと大幅に低下した431Hzでした。また、音程の狂いやばらつき、ユニゾンの乱れが生じておりました。ピアノ内部や外装にはホコリや汚れ、錆も確認され、アクション全体に大きな問題はなかったものの、ハンマーの摩耗が見られ、今後の動作予防のために潤滑剤処置が必要な状態でした。
今回行った調律・修理作業
今回は、店舗の営業開始である19時までに音を出す作業を完了させるため、効率的に工程を調整しながら進めました。
まず全体の張力バランスを整えるために粗調律によるピッチ上げを実施。その後、A4=441Hzを基準として精密調律を行い、営業開始時に適正な音程になるよう配慮いたしました。
次にアクションの整備として、88鍵分のハンマーバットを一つずつ取り外し、内部清掃、ネジの締め直し、センターピン部への潤滑処理を行いました。動きの確認をしながら各所の動作処置を施し、動きをスムーズにしております。
調律完了後には整調作業へ移り、タッチを均一に調整。さらに鍵盤クリーニング、真鍮部の磨き、外装クリーニングを行い、艶出し剤を用いて仕上げました。
作業写真



作業後の状態
当店の診断項目に基づく健康スコアは、作業前の66点から作業後の85点となりました。大幅に低下していたピッチの調整、スムーズなタッチの確保、そして外装や金属部の磨き上げにより、ライブ演奏を行う上で気持ちよく活躍できる状態に整えております。
お客様からは、「朝から丁寧に作業してもらい、音色も見た目も素敵になってお店の雰囲気にぴったりの仕上がりになった」と大変温かいお言葉をいただきました。
調律前後のピッチ
チューナーで測定した調律前後の状態です。


作業前後の健康スコア
健康スコアは、当店独自の診断項目に基づく目安です。
技術者からのメッセージ
大切なピアノを店舗の新しいシンボルとしてお迎えいただき、お手伝いができたことを嬉しく思います。多くの皆様にライブを楽しんでいただけるよう、今後も丁寧なメンテナンスでサポートを続けさせていただきます。


