熊本県球磨郡あさぎり町にて、DIAPASON(ディアパソン)のアップライトピアノ「No.125」(1964年製)の調律・修理を行いました。前回の調律から半年以内のタイミングでのご依頼でした。
ピアノの現状と不具合
調律前のピッチは443.7Hzで、音程にユニゾンの乱れが確認されました。
また、ハンマーバットの革スキンの滑りが悪くなっており、ジャックという部品が元の正常な位置に戻りきらなくなっていました。これが原因となり、一部で音が出なくなる不具合が発生していました。
さらに、部分的にセンターピンの動きが渋くなっており、これに伴って鍵盤の動きにも悪くなっている箇所がみられました。
今回行った調律・修理作業
以下の内容で調律および修理作業を実施しました。
1. 調律作業
基準音を442Hzとし、調律を行いました。調律後のピッチは442Hzとなっております。
2. バット革スキンの調整(黒鉛棒塗布)
滑りが悪くなっていた革スキン部分に黒鉛棒を塗ることで、滑りを改善させ、ジャックがスムーズに戻るよう処置しました。
3. センターピン交換および潤滑処置
動きが渋くなっていたセンターピンに対しては、潤滑剤を用いて処置を施し、特に硬さが残る部分については新しいセンターピンへの交換作業を行いました。
4. フレンジ修理および鍵盤調整
関連するフレンジの修理を行うとともに、バランスブッシングクロスの調整、および調整後の鍵盤のはめ直しと点検を実施しました。
5. 清掃作業
外装および内部の清掃を行いました。
作業写真



作業後の状態
調律によりピッチを442Hzに調整しました。また、音が出なくなる原因となっていた革スキンへの黒鉛棒塗布、センターピンの潤滑処置および交換、フレンジ修理、バランスブッシングクロスの調整を行いました。なお、当店の診断項目に基づく健康スコアは、作業前の100点から作業後の100点となっております。
調律前後のピッチ
チューナーで測定した調律前後の状態です。


作業前後の健康スコア
健康スコアは、当店独自の診断項目に基づく目安です。
技術者からのメッセージ
DIAPASON No.125は1964年製の歴史あるピアノです。このように木部やフェルト、皮革部品が多数使われている箇所では、環境変化や摩擦によって一時的に動きが鈍くなることがあります。定期的な点検を行うことで、小さな不具合の早期発見につながります。今後も気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


